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花しるべ

「桜御膳」内のFiction別館サイト。取り扱いはポップンミュージック(非公式)が主。 初めての方は〔はじめに〕をお読み下さい。  
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a boy met a santa girl(ハヤト・ツララ)

暑い。
まさかこんなに「夏」というものが暑いものだなんて。
湯船の中に1日中いるような気分、とはよく言ったものだ。
先輩から聞いた例えはこの上なく簡潔で適格だった。
 
 
 
 
 
頭がぼんやりする。
足元もふらつく。
意識が、遠のいて、きた・・・

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真実へのカウントダウン

ボクはこの頃、何もかもが嬉しくてしょうがない。
それは、もうすぐあの日がやってくるから。

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神様のたまご(スマイル・MZD)

 
ジリリリン
 
ジリリリリン
 
 
 
 
 
電話のベルが鳴っている。

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僕達のハッピーソング.epilogue

ユーリの城に着いた瞬間、彼は堪えていた笑いを解放した。

ユーリの城に着いた瞬間、俺は堪えていた憤りを解放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

+++僕達のハッピーソング.epilogue+++

 

 

 

 

 

 

 

「イヒッ、爺さんのあの顔見たぁ?いやー、すっきりしたヨ」

「っちゅーか!何で今まで隠してたんですか!ユーリは知ってたのに!」

「だって君に話してたら、ちゃんと曲作ってた事をあの場で直ぐばらしちゃうだろうしー」

 

 

例え声に出さなかったとしても、絶対顔に出ちゃうだろうしネェ。

ユーリには楽譜書いてる時に見つかっちゃったんだけどー

 

リビングであれだけ堂々と作業していて、見つからんと考える方がおかしいだろう

 

だって夜中だったから大丈夫かなって。

現にアッシュ君には1度もばれなかったじゃん?

 

 

 

 

 

 

へらりと笑うスマイルの顔を見ていると、怒る気も失せた。

本当に、この人の才能と性格は計り知れない。計り知れそうもない。

 

 

「・・・にしても、作った曲全部破り捨てちゃうなんて。何か勿体ないっスね。

一体どんな曲に仕上がったのか、ちょっと聴いてみたかったっス」

 

 

 

 

 

あのお爺様を懲らしめる為の演出演出ー

笑って答えながらポケットに手を入れて、

 

「でも、コレだけは破れなかったんだ」

 

そういって彼が取り出したのは、折り畳まれた数枚の楽譜

 

 

 

 

 

「え、一体何の楽譜っスか・・・って痛!」

不意に顔めがけて楽譜を投げてきたので、俺はもろに攻撃を受けた。

スマイルはその隙を突いて、長い廊下を凄い速さで走り出す。

 

 

「ちょっと、スマイル!いきなり何するんスか!」

 

 

 

 

スマイルは走るのを止めて、こちらを振り返る。

「だってソレ、目の前で見られたら・・・から」

 

「今何て言ったんスか?遠くてよく聞こえないっス!」

 

 

 

俺の声が聞こえていないのか、スマイルはさらに廊下を走る。

それからくるりと振り返り、叫んだ。

 

「だーかーら、目の前で見られたら恥ずかしい、って言ってんの!馬鹿アッシュ!犬!」

「俺は犬じゃねぇ!」

 

 

 

 

追いかけようとしたが、その前にスマイルが姿を消すほうが早かった。

当分カレーのリクエストは受け付けまいと心に決めていると

 

 

 

「全く・・・あいつらしい」

床から拾い上げた楽譜を見て、ユーリが微笑んでいた。

 

「依頼分の他に、こんな曲も作っていたとはな・・・私も知らなかった」

 

お前も読んでみれば分かる。

渡された楽譜に眼を通すと、ユーリの言ったことが直ぐに理解できた。

 

 

 

 

 

 

 

 

これは

もしかして

 

 

 

 

「これ、俺達の・・・Deuilの誕生曲?」

「恐らく、そうだろう。確かに、面と向かって見られるのは照れくさいかもしれんな」

 

 

 

楽譜には、メンバーの一員でいられることの喜びや

Deuilに対する深い愛情、想い

普段からの感謝の気持ちが目一杯に込められていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり・・・スマイルは凄いっス」

「あぁ、私もそう思う。だからこそ我々はDeuilなのだ」

 

 

 

 

彼は常に自分達の期待以上の作品を作り上げる。

スマイルに対しての信頼と尊敬の意は、これから先も当分消えそうにない。

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり今日はカレーにしようか。

楽譜を見ながらそんなことを、ぼんやりと考えた。

 

 

 

 

 

 

 

fin.

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

「うさっぷち」の管理人、うさこ様の日記(09,4,18の記事)にて書かれた設定を元に創作させていただきました

「僕達のハッピーソング」今度こそ完結です。最後はほのぼの()スマイルのことを信じてよかったね、アッシュ!

 

ここで少しだけ補足説明を・・・

●富豪家は完全オリジナルです。うさこ様の日記で、怒った相手がスマイルに罵詈雑言を浴びせるという場面展開が

ありましたが、その役にポップンメンバーが誰一人しっくりこなかったので捏造しました。(名前すらありませんが)

●「僕達の~2」で富豪家がスマイルに対して暴言を吐いた後のアッシュの擁護シーンですが、うさこ様が日記にて

書かれていた、2人の台詞を使用させて頂きました(使用しても大丈夫でしたでしょうか…←今更)

私はこの台詞に惚れて、「是非この設定で小説を書いてみたい!」と思ったのです…!

●ユーリが真犯人を連れてくることなく終わってしまいました。スマイルのアリバイ等を考えるだなんて、

そんな高等な頭は持っていませんでした…。なので、うさこ様の設定とは少し異なった内容になってしまいました。

「こんなの違う!」と思われてもおかしくないですね。ひとえに私の能力不足です。申し訳ありません。

 

いざ書き始めると、キャラが一人歩きして当初の予定とは違う結末になったり(これはこれでありかと思ってますが)

考えてもいなかった台詞を喋りだしたりと色々ありましたが、構想を練る時も、創作中も非常に楽しかったです!

このような機会を与えていただき、本当にありがとうございました。

 

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僕達のハッピーソング.3

「くだらん茶番はもう良いだろう、スマイル・・・

勿体ぶらないで、其れを持ってさっさと種明かしをして来い。私は帰りたいんだ」

 

 

もぅ、ユーリってば本当に短気なんだからー

そう言って笑うスマイルの手には、先程ユーリが頭を叩くのに使用した紙の束。

紙の束は何やら見慣れたもので、びっしりと埋め尽くされている。

 

 

 

 

「音符、ってことはその紙・・」

 

 

 

 

 

 

・・・!

まさか!

 

 

「しーっ、大きな声だしちゃ駄目だよ、アッシュ君」

指を唇に当てて「静かに」の格好をとったスマイル。

 

 

 

そして未だ憤慨した様子の元依頼主に近づき、話しかけた。

 

 

「失礼ですが、私は曲が出来ていない とは一言も申しておりません。

“今年”のお嬢様の誕生歌をどれにするかまだ決めていない、と申したのです」

 

「どれにするか・・・?出来たのは1曲ではない、とでもいうのか」

「はい。お嬢様の1歳から15歳までの誕生と成長をお祝いして、15曲ほど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの短期間で1曲どころか15曲も作った?

耳を疑うようなスマイルの発言に言葉もでない。

表情を見る限り、それは富豪家も同じようだ。

 

「そ、それならそうと早く言えば・・・儂もそこまできつくは当たらな・・・」

「良いんですよ。どうせ気にしてませんし、先程の発言は本音だったんでしょうし」

 

 

 

 

 

富豪家の白々しい釈明を遮る。

そして、これ以上ない偽りの笑顔を貼り付けて

スマイルは最後の言葉を言い放った。

 

「しかし、誠に残念ですが御契約は破棄、ということですので・・・

これらの曲はなかったものとして、全て此方で処分させて頂きますネ」

「ま、待て!儂が悪かった!待ってくれ・・」

 

 

 

 

 

 

富豪家が急いで歩み寄り、楽譜を取るよりも早く

スマイルはあの笑みを浮かべながら顔を下げ――

「ヒヒッ、残念デシタ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ビリ・・・ビリ

ビリィ・・・ッ

 

 

 

 

 

 

 

 

楽譜は富豪家の目の前で破られ、演奏される機会を永遠に失った。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

「うさっぷち」の管理人、うさこ様の日記(09,4,18の記事)にて書かれた設定を元に創作させていただきました

この話も、とりあえずここで完結です…といいたいところですが嘘です。だってこのままじゃスマイル只の悪人!

その後の話が残っています。宜しければ、もうちょっとだけお付き合い下さい

 

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