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花しるべ

「桜御膳」内のFiction別館サイト。取り扱いはポップンミュージック(非公式)が主。 初めての方は〔はじめに〕をお読み下さい。  
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僕達のハッピーソング.2

「・・・何だと。明日の誕生日に間に合わなかったというのか?」

「いいえ、間に合ってはいます」

「では出来ているのだろう」

「そうですネェ。出来たといえば出来ているし、まだといえばまだです」

「どういう事だ。儂をからかっているのか」

 

 

 

のらりくらりと質問をかわすスマイルを横目に、俺の頭は混乱していた。

まさかこの人、本当に作らなかったのか?

いや、そんな筈は無いだろう。

しかし――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あーあ、どうも気が乗らない。投げ出しちゃおうかなー・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時のスマイルの言葉が、そうしても脳裏を掠める。

スマイルの事を完全に信じることが出来ない自分自身に、強い怒りを感じた。

 

 

 

 

 

「もぅ良い、話にならん。契約は取り消させて貰う!」

怒髪天衝を再現したかの様な表情。富豪家の怒りはおさまりそうにない。

杖を振り翳してスマイルを睨み、大声を張り上げた。

 

 

最初から儂はこんな男、信用ならんと思っていたんだ。

それをあの娘がどうしても、と言うから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大方、容姿で持て囃されているだけで

其れに見合った実力なぞ持ち合わせていないのだろう!

 

 

 

「……っちょ、…待ってください!」
「! アッシュく…」
「スマイルはそんな人じゃねえ! 

なんにも知らねぇくせに、勝手なこと言ぅッ… ……言わないでほしいっス!!」

 

 

 

 

 

言葉が勝手に、口を突いて出てきた。

 

 

確かにスマイルが何を考えているかなんて、俺にだって良く分からない。

もしかしたら本当に今回、曲を作らなかったのかもしれない。

でも、渡された少女の資料はいつだって持ち歩いていた。

それに、普段スマイルが音楽に向き合う姿勢を考えると

一生懸命に曲を作っているスマイルの姿しか、俺には想像できなかったから。

 

 

 

 

 

暫し、静寂が部屋を包む。

 

その静寂を破ったのは、ユーリの足音。

 

 

 

 

コツ・・・

  コツ・・・

 

バシッ

 

「痛ぁ。ユーリ、何すんのさ~」

 

 

 

 

と、間の抜けたスマイルの声だった。

 

 

 

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僕達のハッピーソング.1

「・・・誕生歌、っスか?」

「そう。お偉いさんからのご依頼でネー」

 

 

 

そう言ってスマイルは、ギターの弦を弾いた。

 

 

 

 

 

 

 

+++僕達のハッピーソング+++

 

 

 

 

 

 

 

 

大盛況で幕を閉じた、新曲発表ライブツアーから数週間。

スマイルはある大富豪から、孫娘の誕生日を祝う曲を作るように依頼された。

何でもその孫娘はDeuil―――特にスマイルの大ファンなのだそうだ。

 

 

 

「で、そのお嬢さんの誕生日はいつなんです?」

「1ヵ月後。15歳になるんだって」

 

 

 

結構きついスケジュールだよネー、1ヶ月って。

ギターを置いてからソファに寝そべり、鞄の中を弄る。

 

勿論スマイルもDeuilの一員として、日々の活動に追われている。

その中から時間を捻出して新たな曲を作るのに、1ヶ月という期間は確かに短い。

 

 

 

 

「そんで、作曲の参考に・・・って、御丁寧にこーんな分厚い資料までくれた」

数センチはあろうかという紙の束には、来月の主役である少女の生い立ちや

趣味、嗜好について詳細に記されていた。読破するだけで骨が折れそう。

 

 

「たかだか生誕15周年でこんな厚みだよ?

ボク達の資料をつくったら、一体どんな量になるんだって話」

 

 

 

少し考えて、思いついたことをそのまま口に出してみる。

「・・・多分ユーリとスマイルの分だけで、このリビングは紙で埋まるっス」

 

 

 

 

そりゃ言えてる。

スマイルは少し笑って、ソファから起き上がり窓の方を眺める。

心なしか、いつもより眼は笑っていない。

 

「急に呼び出されて、まさか『おい、儂の孫娘の誕生歌を作れ』とはネェ・・・

もうちょっと、ものの頼み方があるでしょうに」

「まぁ、今までに同じような経験はありましたけど。ちょっと今回は凄いっスね」

「主役のお嬢さんが悪いわけではないけど、あの爺様はいただけないよ。

あーあ、どうも気が乗らない。投げ出しちゃおうかなー・・」

 

 

 

スマイルが顔を下にして笑い出したら要注意。

何かを企んでいる危険が8割以上あるからだ。

俺は急いでスマイルを諭した。

 

 

 

「でももぅ引き受けたんスよね?だったら出来るだけの努力はしないと駄目っスよ」

「・・・ヒヒッ、分かってますって。ところでアッシュ、今日の晩ご飯は何?」

「あぁ、今日はシーフード・・・」

「『・・・のたっぷり入ったカレーっスよ、スマイル』だって?ワァ、それは嬉しい」

「そんなこと一言も言ってねぇ!捏造禁止!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すぐにスマイルがいつもの調子に戻ったので、俺は安心した。

何だかんだ文句を言いつつも、彼は常に自分達の期待以上の作品を作り上げる。

今回もきっとそうなるだろうと、信じて疑わなかった。

スマイルに対して、それだけの信頼と尊敬の意を持っていたのだ。

 

 

 

 

+++

 

 

 

 

それから1ヶ月後、少女の誕生日前日に俺達は依頼主の館を訪れた。

館のあちこちには良く手入れがされた調度品の数々。

趣味はどうであれ、数はユーリの城とよい勝負だ。

 

案内された部屋には、老人が背を向けて立っていた。恐らく彼が今回の依頼主だろう。

「儂も暇ではない、手短にいこう。孫娘の為に作った曲を聴かせてくれ」

 

 

 

スマイルが一体どんな曲を作ったのか、俺もまだ知らない。

何回か尋ねてみたが、『発表当日までのお楽しみ』と誤魔化され続けたのだ。

彼は1歩前に進み、いつもと変わらない調子で依頼主に告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいえ、まだ御聞かせすることは出来ません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何だって?

 

その言葉に、一瞬思考が停止した。



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

始めにも記していますが、この話は「うさっぷち」の管理人、うさこ様の日記(09,4,18の記事)にて書かれた

設定を元に創作させていただきました。この場を借りて、許可を下さったうさこ様に心よりお礼申し上げます。

素敵設定を活かしきれずごめんなさい…!こんなへっぽこ小説ですが、まだ続きます。

 

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僕達のハッピーソング(に行く前に)

※始めに(必ずお読み下さい)

この話は「うさっぷち」(http://u-b.pupu.jp/usa/)の管理人、
うさこ様の日記(
09,4,18の記事)にて書かれた設定を元に
創作させていただいた小説です。

以上のことを踏まえた上でお読み下さい。

 

小説作成の許可を下さったうさこ様、本当にありがとうございました。

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大好きで大嫌いな季節(スマイル)

綺麗と汚いは表裏。

好きと嫌いも表裏。

 

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真実の色(スマイル)

誰が自分の見ている色を、本当に自信を持って断言できる?

誰が自分の聞いている音を、本当に自信を持って断言できる?

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