綺麗と汚いは表裏。
好きと嫌いも表裏。
+++大好きで大嫌いな季節+++
この国に、秋から冬への季節の変わり目が訪れた。
この時期になると、ボクは決まって同じ夢を見る。
ボクはその夢がとても楽しみで・・・同時にとても辛い。
そして昨日、やっぱり今年も、いつもの夢を見たんだ。
久しぶりに聴く、懐かしい君の声。
あぁ、姿だって昔のままだ。
ねぇ、スマイルは――
+++
「お早うっス、スマイル!すぐに朝食の準備しますね。朝刊はテーブルの上っス」
「うん…ありがと」
アッシュの声を聞きながら、ボクは昨日見た夢を思い出す。
実際にこんな会話を彼女としたことはなかった。
いや、出来なかったのだけど。
「本当、参ったよねぇ。まーだ、忘れられないなんてさ・・・」
ねぇ、スマイルはどの季節が1番好き?
「冬~」
じゃあ、1番嫌いな季節は?
「冬~」
…からかわないでよ。こっちは真面目に聞いてるのに。
勿論、こっちだって真面目に答えてるんだよ。
どっちもボクの本当の気持ちさ。
だって、
冬は君と出会えた季節
そして同時に
君を失った季節でもあるんだからね
fin.
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スマイルにとって冬は昔々、愛した女性を思い出す季節。何年、何十年経っても忘れられない人なのです。
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