あぁ、またこの花がさく季節になったんだねぇ。
うすーいピンク色をした、はらはらと舞い落つこの花たちの季節に。
なまえは何と言ったんだっけなぁ・・・?
むかーし、むかし、本当に昔、パパが教えてくれたはずなんだけど。
パパとママとぼくと、3人で出かけたときに。
・・・3人で出かけたなんて、ほんとうにむかしの事なんだよねぇ。
本でしらべたり、人にきけばすぐにこの花のなまえはわかるだろう。
でもぼくはそれを行動にうつす事はぜったいにしない。
この花のなまえがわかっちゃったら、なんだかこのおもいでも消えてしまいそうで。
パパとママとの数すくないおもいでが、なくなってしまいそうで。
だからぼくはこれからも、この花のなまえをしらない。
ずっとずっとこれからも、この花のなまえをしらない。
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スマイルで短いお話を。(話と言うのもおこがましい!)
彼はもぅ、とことん可哀想なコだと考えています。
連載小説の世界と繋がっていますので
そちらも合わせて読んで頂けたら少しはましかと思われます・・・
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