missed daily．２

第三話後編。　後悔しても、もぅ遅いのだけれど。

人間って、いつ親という巣から「独り立ち」するんだと思う？

 

成人したら？学校を卒業したら？

 

ボクはそんな目に見えるものでは決められないと思うんだ。
幾つになっても親から離れられない子もいれば
生まれた時から親を必要としなかった、出来なかった子だっていると思う。

 

ある日突然親に巣から追い出された子だって
自分の意思で巣から羽ばたいていった子だっているよね。

 

 

 

ボク？ボクは少々特殊な方だったのかなぁ・・・。

 

 

 

親元を離れ「独り立ち」したあの年。
確かあの時、まだボクは10歳にもなってなかったからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

＋＋＋　missed daily．２　＋＋＋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トントントントントン…

 

1階に下りると思ったとおり、ママが夕御飯の支度をしていた。
緩やかにカールした、背中まで伸びた綺麗な栗色の髪の毛。
ボクだってつい何時間か前まではママと同じ髪の色をしていた。
今は深い深い蒼色だけど・・・

 

(さて…何をしようかな？)

 

隣まで歩いて行ったけど、ママはボクに全く気付いていない。
どうやら他の人にもボクの姿は見えなくなっているようだった。

 

 

 

 

 
ヒョイ

 

とりあえず、まな板の上にあった人参を取ってみる。

 

 

 

「あら？人参がなくなったわ。下にでも落としたかしら・・・？」

 

下には落としてないよ、ママ。
ボクが持ってるの、早く気付かないかな？

 

 

 

でも、いくら待ってもママはボクにも宙に浮いてる(はずの)人参にも
気付いてくれなかった。(新しい人参を野菜袋から取り出しちゃたんだ)
ママは元から天然でぼんやりさんだったからねぇ・・・
じれったくなったボクは、遂にママに話しかけた。

 

 

 

 

 

「ママ、人参はここだよ」

 

「・・・？」

 

 

 

一体どこから声を掛けられたのかと、ママは暫く周りを見回していたけど
宙に浮いてる人参を見て、ようやくボクに(と言うか人参に)気が付いた。

 

 

 

 

 

「あら、凄い！宙に浮いてるじゃない。上手く出来てるのね。
ママ驚いちゃった。スマイル、一体どこから操っているの？」

 

「操ってなんかいないよ。ボクが手に持ってるんだから。ハイ」

 

そう言って人参をママの手に渡した。

 

 

 

「まぁ・・本当によく出来てるのね。
どこに糸が付いてるのか全く分からなかったわ。
スマイルの声も聞こえるのに、今どこにいるのか分からないし。
でももぅそろそろ姿を見せてね。ご飯にしましょ」

 

そう言ってママはキッチンからリビングへと移動していった。

 

 

 

さっきの話し方を聞くとボクの着ている洋服もママには見えていないのかな？
これはいい情報だね。ますますイタズラがしやすいや。

 

さて、それじゃあそろそろ元の姿に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
元の姿に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやって戻るんだろう？本には戻り方なんて書いてなかったぞ！

 

ボクは急に焦りだした。元の姿への戻り方が分からないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
そして、ここから先の記憶は又、あやふやになっている。
鏡をママに見せて、(そうするとボクの姿が他者にも認識できるから)
自分が夕方に行った実験の説明をして・・・ママが倒れちゃった様な気がする。

 

 

 

次にぼんやり思い出せる記憶は、パパが帰ってきてからのこと。
あんなに夜が長く、永遠にすら感じたのは、初めてだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued…

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わあぁ久しぶりの更新！1年以上寝かせてましたこの話(うわぁ)
書きにくい部分がもぅすぐで終わるので、こっからばんばん更新を…
していけたら…よい、な・・・(希望的観測か)