笑うと、幸せがやってくるんだよ?
「・・今、なんて言ったの?ポエット」
「だから、私もスマイルみたいになりたいって!」
にこにこと笑いながら、目の前の天使はそう断言した。
+++す・ま・い・る?+++
「・・・ちょっと~なになに突然のジョーク?突拍子過ぎて面白くないよ」
「ジョークじゃないもん!私、本当にスマイルみたいになりたいの!」
ポエットはちょっと怒った様子で、ボクを正面からじっと見つめた。
その表情にボクは返事につまってしまう。
冗談じゃない。ボクみたいになりたいだって?
人間から妖怪へと姿を変えた、このボクみたいに?
キミは天使じゃないか。
真実を映し出せる、澄んだ瞳を持ってるじゃないか。
疑う事を知らない、清らかな心を持ってるじゃないか。
皆に幸せを届ける、亜麻色の喇叭を持ってるじゃないか。
聴く者の心を振るわす、甘やかな歌声を持ってるじゃないか。
どこまでも羽ばたいていける、純白の翼を持ってるじゃないか。
そんなたくさんのしあわせを持っているキミが、なぜ?
「・・・どうしてボクみたいになりたいの?」
ポエットはきょとん、とした顔つきをした。
そんなの分かりきってるじゃないか、とでもいわんばかりに。
「だって、スマイルはいつも笑っているから!
ほとんどの人が見向きもしないどんな小さな出来事にだって、
とってもとってもしあわせそうに大きく笑っているから!だから!!」
私は皆に幸せを届けるのがお仕事だから、
どんな小さな幸せも見逃さないスマイルが羨ましいのだ、と彼女は言った。
紅茶が美味しく淹れられた、とか
庭の薔薇の蕾がようやく膨らんできた、とか
傷の手当てをしていた小鳥が羽ばたき始めた、とか
今までに見た事がないくらい綺麗な装丁の本を見つけた、とか
ボクが幸せと感じるラインはとても低い。
それは日常の中で何でも幸せだと感じないと、辛くてとても生きていけなかったから。
でもそんなボクにも仲間と呼べる人が出来て。幸せの回数はどんどん増えた。
それはもぅ、数え切れないくらいにね。
「そっかぁ・・そんな嬉しい事聞いちゃったら、またボク幸せになっちゃうよ?」
「あーずるい、スマイルだけしあわせになるなんて!私も!」
「ヒヒッ・・じゃあ2人で幸せになっちゃう?」
「うん!」
皆の周りにも幸せはたくさん転がっているんだよ。
それを見つけ出すコツは・・・まずよく笑う事かな?ヒヒッ、なーんてねぇ・・・
fin.
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
唐突にスマポエ小説。いやもぅ本当スミマセ…!(ガタタ)
[0回]
PR